中国の友人たちに宛てて

 6月に入り、中国の軍艦が尖閣諸島沖の接続水域に侵入したことに対して、大学生遊説隊 UNITEとしても、当初は中国大使館前での抗議演説を計画し、所轄の警察署にも申請を行っていました。

 

 しかし、諸事情から抗議演説は取り止めることになりましたので、代わりに抗議文を掲載いたします。

 

 なお、今回の事態に関して、評論家の石平氏が、ツイッターで的確な解説を行っていましたので、ご紹介します。

 

 「中国軍艦が接続水域に侵入してきた一件、問題の重大さにかんしては、一部の人々は『領海ではなく単なる接続水域ではないか』と主張。しかし、領海が『家の中』だとすれば、接続水域はまさに『玄関口』だ凶器をもつ男が家の玄関口にまで迫ってきただけでも、家の人々にとって深刻な事態ではないのか」(6/10)

 

 さらに、ジャーナリストの櫻井よしこ氏は、以下のように警鐘を鳴らしています。

 

 「鹿児島沖から沖縄沖まで、わが国の領海は中国の灰色艦(軍艦)と白色艦(公船)に侵犯されているのであり、わが国の防衛は新たな危機的局面に入ったというべきだろう」(「週刊ダイヤモンド」6/25より)

 

 今年1月の結成以来、UNITEでは、世界の覇権国家を目論む中国の軍事的な拡張や脅威に対して、継続した訴えを行ってきました。

 これからもUNITEは、国の行く末を憂う大学生の立場から、日本の平和と未来のために、声を上げ続けていきます。


 

中国の友人たちに宛てて

 

 去る68日夜から9日未明にかけて、貴国の軍艦が我が国固有の領土である尖閣諸島沖の接続水域に侵入したこと、ならびに、同月15日、鹿児島県口永良部島沖の領海を侵犯したことに、一人の日本国民として強く抗議します。 

 

尖閣諸島、沖縄は、私たちの領土です。そして、領土・領海は、私たちの家であり庭です

客が主人の許可を得ず、勝手に家に上がり込むのも無礼なのに、包丁や拳銃まで携えて我が物顔で闊歩するような暴挙を、到底許すことはできません。 

 

 貴国は昨今、軍事的な対外膨張政策を採っています。明確な侵略の意志を私たちに示しています。

 これまでにも、20109月の尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に代表されるように、幾度も私たちの領海を侵し、挑発を繰り返してきました。

 

 また、そうした東シナ海における暴挙にとどまらず、南シナ海において、国際法を破り、フィリピン、ベトナムの海を侵して人工島を造り、そこに軍事基地を建造しました。そして、ここが自分たちの領土であり領海であると主張しています。誠に遺憾です。 

 

 かつて、私たちの国・日本と、中国の間には悲劇がありました。

 太平洋戦争における日本の貴国に対する行動について、弁明することはしません。

 

 ただ、これだけは知っておいていただきたい。

 私たち日本人は、「徳を以て怨みに報いる」という蒋介石先生の言葉に救われました。

 あなた方が蒋介石先生をどのように評価しているか、複雑なところではあるでしょうが、先生の偉大な人格と信念が、今日の日本の復興と発展に大きく貢献したことは否定できません。その恩義を感じ、感謝しています。 

 

 ところが、昨今のあなた方の行動は、その偉人の顔に自分たちで泥を塗っています。

 「共産主義」という誤った思想に固執し、対外侵略路線により他国の権利を侵害するだけでなく、貧困に苦しみ自由を求める自国民をも傷つけ、虐げている。仏教を育み、道教、儒教を生んで、アジアの精神文化を牽引した貴国の伝統をも汚す行為です。外へ外へと向かう気持ちを、少しでも国内に向けてください。現状に苦しむ国民が多くいることは、あなた方の方がよくご存知だと思います。 

 

 “怨み”に基づいた世界制覇の野望からは混沌と悲劇しか生まれません

 

 東アジアに平和をもたらし、世界の文化と文明を牽引する指導国家となるためには、勇気を持って「共産主義」を放棄しなければなりません。一日も早く、あなた方がその誤った思想を放棄することを願います。

 さらに、人々の自由を守る、同じ民主主義国家として、パートナーとなれることを願っています。 

 

国際勝共連合 大学生遊説隊 UNITE