福岡で日韓関係の講演会を開催

 UNITE FUKUOKAが1月19日(木)午後7時から福岡市内の会場で、元西日本新聞記者で日韓交流史研究家の嶋村初吉先生をお招きしての講演会を開催しました。

 

 講演会には九州大学の学生を中心に、福岡各地の大学生が20名ほど集まり、日韓関係などについて学びを深める場となりました。

 講演会のテーマは「21世紀の朝鮮通信使を目指せ」。かつて日本と韓国を行き来していた「朝鮮通信使」について、嶋村先生が詳細に語られました。講演の概要は以下の通り。

 

 朝鮮通信使とは、室町時代から江戸時代にかけて朝鮮国が日本に派遣した外交使節団です。

 

 豊臣秀吉の朝鮮出兵でいったんは途絶えますが、徳川家康の命を受けた薩摩藩による粘り強い交渉の末、1607年に朝鮮通信使が復活し、これにより両国の国交が回復。

 

 以来、1811年までの約200年間、日本と朝鮮国は隣国として戦争のない平和な時代を過ごしてきました。

 

 朝鮮通信使は、両国の平和的な関係を構築し維持させることに大きく貢献しました。

 朝鮮通信使が往来する両国の人々の憎しみや誤解を解き、相互理解を深めたことにより、両国は外交のみならず、学術、芸術、産業、文化などの様々な分野において活発に交流することができたのです。 

 

 嶋村先生は最後に、「あなたたちが『21世紀の朝鮮通信使』として、これからの日本と韓国を結ぶ架橋となってくれることを期待します」と学生たちを激励しました。

 

 日韓両国の歴史には光と影があり、歴史認識の違いから影(慰安婦問題など)に目が行きやすいものですが、いかに光(お互いが深く関係を結び発展してきたか)に焦点を当てていけるかが重要と言えるでしょう。

 

 UNITE FUKUOKA代表の学生は、「日韓関係にはまだ多くのわだかまりと葛藤が残っていますが、UNITEが『日韓の架橋』となり、日韓関係改善に向けて取り組んでいきたい」と意気込みを語りました。

嶋村初吉先生(中央)とUNITE FUKUOKA代表(左)
嶋村初吉先生(中央)とUNITE FUKUOKA代表(左)

【参加者の感想】 

 今までは日韓において負の歴史認識が問題になっていたが、現地やお互いの姿を実際に見て聞いた資料を伝えて行くことで、それによって互いの見方も変わっていくだろうと、これからの日韓関係にもっと希望を持つことができました。また、対馬を日韓の交流拠点として学生などが関わって行くことについて話されていて、今もお互いに過去の恨みや偏見から受け入れられないことも続いているが、このように若い世代から日韓の交流の場を持つことで、実体の姿を理解し合い、これからの日韓関係改善、そこからアジアへと平和をもたらすのに必要であると感じた。(大学3年生・男性)

 

 朝鮮通信使のおかげで、お互いの国が発展し合ってきたことを聞いて、私たちが「21世紀の朝鮮通信使」になりたいと思いました。今は日韓関係の歴史の中で影の部分に目が行きやすいけど、通信使のように私たちが政治家や世論に影響を与えられる光の部分として、通信使の役割を果たせたらなと思いました。(大学3年生・女性)

 

 嶋村先生の講演会で一番印象に残ったのは、韓国と日本が江戸時代からすでにたくさんの交流をしていたことでした。昔から、互いに協力し、助け合う文化があったことを知って、今、韓国と日本は元通りに戻って欲しいと思いました。

 嶋村先生は「両国の関係が改善するためには民衆がまず仲良くなるのが重要だ」と語り、自分たち、民衆がより心を開いて和解に前向きになったら、必ず関係は改善できると思います。私達が両国の架橋になれるということを信じています。(韓国留学生・大学2年生・女性)

 

→ 講演会「21世紀の朝鮮通信使を目指せ」の詳細な内容はこちら