一斉演説でのUNITEの主張

 国際勝共連合の機関紙「思想新聞」(11月1日号)に、10月16日に国内14ヵ所で行われた一斉演説の記事が掲載されましたので、当サイトでも全文掲載します。


UNITEが全国一斉演説

 憲法改正で平和をもたらす希望の日本を

 

 国際勝共連合大学生遊説隊UNITE(ユナイト)が10月16日、国内14ヵ所で一斉演説を行った。全国同時的な活動は、7月の参議院選挙以降初めて。演説を行った都市は宇都宮、高崎、東京(渋谷、後楽園、吉祥寺、八王子)、津田沼、名古屋、鈴鹿、京都、神戸、高松、福岡、熊本で、約90人の大学生らが憲法改正の必要性などを訴えた。

 

 東京都の後楽園駅前では、6人の学生が演説を行った。東京大学の男子学生は、日本国憲法が日本の民主化に大いに貢献したことは言うまでもないが、「今では行き過ぎた個人主義を生む要因にもなっているのではないか。70年前の時代に合わせて作られた憲法を一言一句変えてはいけないというのは教条主義的なのではないか」と問題を提議した。

 

 実際に本人の周辺でも離婚家庭が増えているといい、「家族の多様化という言葉があるが、これほど無責任な言葉はない。個人主義が蔓延して家族制度が崩壊すれば、最大の被害者は子供だ。また、国家全体としても非婚化晩婚化が進んでしまう。憲法では個人の権利ばかりが強調されているが、個人と家族の在り方について真剣に考え、憲法に反映させるべき時なのではないか」と述べた。

東京・後楽園で演説を行う東大生ら
東京・後楽園で演説を行う東大生ら

 続いて演説を行った東京大学の女子学生は、沖縄基地問題について演説した。「沖縄県民は被害者であるというイメージしかなかった」が、マスコミ報道や野党勢力の批判には重要な論点が欠けていると知って取り上げたと述べた。

 

 特に欠けているのは中国に対する脅威であるとし、「これまでは、中国の軍事力が弱く、圧倒的なプレゼンスを持つ米軍が日本を守っていたが、現在は状況が異なる。中国が膨張政策を露わにし、米国では日本の安保タダ乗り論が広がっている。冷静に考えれば、我々は今、沖縄から米軍基地を撤退させることがどれだけ危険であるかということこそ認識するべきだ」と語った。

 

 また、共産党を中心とする批判勢力に対して問いたいことがあるとし、「沖縄県民の反米感情を募らせているが、それは本当に沖縄県民のことを思ってのことなのか。日本の安全保障を真剣に考えてのことなのか。なぜ中国の脅威には口をつぐむのか」と訴えた。

 

 最後に演説を行った小村聡士代表は、憲法が抱える内外の課題、そして憲法の本来的な意義を解説しつつ、「日本は今、憲法改正という大転機を迎えている。それは希望の時でもある」と語った。

 

 まず、憲法の意義には国家権力を縛る立憲主義としての側面もあるが、未来の理想を示す志やビジョンとしての意味もあるとし、この点について日本国憲法はすでに挫折しているのではないかと投げかけた。具体的には、日本は戦後、国内では経済成長、国際社会に対しては公正と信義を追究してきたが、国内的にはバブルの崩壊による長期低迷、国際社会においては「力による現状変更」の常態化などを挙げ、「日本国憲法で描かれた内外のビジョンに対して、日本はすでに諦めているのではないか」と述べた。

 

 そのうえで、「日本は今、憲法改正という歴史的ワンチャンスを迎えている。ここで日本は、世界が希望を持つことができるビジョンを改めて示すべきではないか。それは積極的平和主義に基づき、先進諸国の先頭に立って、世界に平和をもたらすという希望的な志である。ユナイトは、未来の日本に誇りをもち、自ら日本と世界の希望になろうという意志を抱いてこれからも前進していきたい」と力強く訴えた。

 

 今回の一斉演説を開催した趣旨について小村さんは、「内外情勢について正しい理解を広めたいと思い企画した。12月にも大きな企画を考えている。ぜひ期待してほしい」と語った。

 

UNITE代表へのインタビュー記事を掲載(2016年10月20日)

「憲法改正」の必要性