沖縄の基地問題から

 私は普段、大学では思想や哲学を勉強しているので、遊説で扱うような現実の社会問題には疎いのですが、今回たまたま機会があって沖縄の基地問題について自分で調べてみました。調べ始める前には、この沖縄県問題について思いつくことと言えば、テレビのニュースでよく見る、米軍基地前でのデモの様子や、「これ以上沖縄に基地負担を押し付けないでほしい」と訴える県民の方のインタビューの様子だけでした。ですからこの問題に対しては、政府は沖縄県民の声をもっと聴くべきだ、くらいの意見しか持っていませんでした。

 

 しかしながら、自分でネットや雑誌などを調べていくうちに、今まで自分が持ってきた考えや、メディアで報じられる内容には、この問題を論じる上で最も重要な視点が欠けていることに気がつきました。それが、沖縄を狙う中国の存在です。

 

 沖縄に今ある米軍の軍事力を誰が一番排除したいと思っているか、それは沖縄県民ではなく、沖縄を勢力下におくことで南シナ海、東アジアの覇権を手にしようと考えている中国です。沖縄県のことを本当に思うなら、基地があることによる沖縄県民の方々の精神的負担に配慮するとともに、基地がなくなった時の中国による沖縄侵略のリスクを考えなければなりません。それなのにメディアでは県民感情ばかり報道し、最も重要な中国の危険性について触れられていませんでした。私はそのことに大きな危機感を覚えました。

 

 私自身もそうですが、私くらいの年齢の大学生はなかなか政治に興味や関心を持てていない人が多いと思います。しかし、当たり前の日常を当たり前に守っていくために、日本の若者たちが、日本が今直面している問題に対して、これは自分たちの問題であるという意識と、偏りのない正しい視点を持っていくことが必要とされている、そのように感じ遊説隊に参加しました。 

 

(東京大学3年 教育学部 女性)